上野ビル: 北九州シティせれな〜で…

若松南海岸通り「若戸大橋」近くにあるレトロな建物『上野ビル』…
オーナーは看板にある“上野海運”です…

本館正面（南面）…
赤い看板が無ければ、さらにフォトジェニックなんだけど… 無理ですよね（〃∇〃）

北九州フィルム・コミッション御用達のロケ地として映画・ドラマに大活躍…
※「K-20 怪人二十面相・伝」「はだしのゲン」「海峡」「警官の血」「わが家の歴史」「お家さん」「霧の旗」
「大分むぎ焼酎二階堂CM」「相棒-劇場版Ⅳ-」「絶狼〈ZERO〉-DRAGON BLOOD-」など

本館裏側（北面）…

本館西側にある2階建ての倉庫棟（東面）…
『上野ビル』は、元々『三菱合資会社若松支店（大正2年竣工）』でした…

外壁に残るスリーダイヤマーク…

堅牢な造りの倉庫棟入口…

裏側にも辛うじてスリーダイヤマークが残っています…

本館入口は正面向かって右側（東面）…

1階にオーナー、2階・3階にはカフェや雑貨店が入居…

1階エントランスホール…
このビルでは忍び足は不可能です（古いため1歩毎に床が鳴ります）…
※最近ロケのあった「相棒-劇場版Ⅳ-」「絶狼〈ZERO〉-DRAGON BLOOD-」のポスターを掲示してました

1階の集合ポスト…
ふさがれた後ろには、黒光りした重厚な扉と受付らしき窓…

1階の男子トイレ… 丸見え（／＼）

3階の共同炊事場… タイル貼りの流し台は竣工時のまま???

各所に見られる神殿風の意匠…

黒い木造階段（エレベーターはありません）…

縦長窓のシンメトリーが美しい…

3階から覗くと丁度1階の洗面台が見えます…

窓から見える「若戸大橋（このビル竣工から49年後に完成）」…

公共部分は空調が無いと思われますので、夏場は暑めです（〃∇〃）

重厚な外観とは対照的な中央に広がる吹き抜け…

格子状の天井には、ステンドグラスがはめ込まれています…

シンプルで飽きのこない意匠…

しっかりとした鋳鉄製の柱が支えています…

下部（2階床）にもガラスがはめ込まれています… ちょっとコワイ（〃∇〃）

この規模のビルで、効率も動線も決して良くない吹き抜けをよく採択したもんだ…

当時、若松がどれだけ隆盛を極めていたかがわかります…

石炭産業が華やかなりし頃
三菱の社員はこの回廊を走り回ってたのではないかとの思いを馳せつつ…

最後に外周をチェック… 敷地裏側にある、たぶん旧分析室です…

現地案内板…

上野ビル（旧三菱合資会社若松支店）　国登録有形文化財（建造物）
上野ビルは石炭産業の興隆とともに、筑豊炭田の鉱山経営、石炭輸送・販売に本格的に乗り出した旧三菱合資会社がその拠点となる若松支店として、大正2年（1913）に建設した事務所ビルです。昭和44年（1969）に至るまで三菱の事務所として使用され、大きな改変もなく当初の姿を伝えてきました。その後昭和44年には現所有者である上野海運株式会社のビルとなり現在に至っています。本ビルは、本館、倉庫棟、旧分析室、門柱および塀からなる建物群です。三菱合資会社の建築部門の責任者であった保岡勝也の設計です。本館は南側の中央に玄関を有する鉱滓レンガ造の建物です。縦長の窓が左右対称に配され、堅実で重厚なデザインでまとめられています。内部は建物中央部に屋上から1階まで光の到達する吹き抜けがあり、2階及び3階には鋳鉄製の柱と装飾が施された回廊が周囲を巡っており、格子状の天井にはステンドグラスが嵌め込まれています。ステンドグラスからの柔らかな光は外観とは異なる華やかな雰囲気を生み出しています。本館西側に鉱滓レンガ造2階建ての倉庫棟、その北側には採掘した石炭の成分分析等が行われた木造平屋建瓦葺の旧分析室が設けられています。門や塀などを含め敷地全体が建設当初の姿をよくとどめている貴重な建物群です。現在本館には事務所のほかカフェ、アトリエ、雑貨店などが入り、またテレビや映画のロケ地として利用されるなどこの地域におけるランドマークとして親しまれる建物となっています。

〈おまけ〉　映画・ドラマに出てくる『上野ビル』（一例）

（C）2008「K-20」製作委員会
日本テレビ開局55年記念映画「K-20 怪人二十面相・伝」（2008年公開）
※金城武・松たか子・鹿賀丈史